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Asu no chikyû sedai no tameni (1975)

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Asu no chikyû sedai no tameni

(1975)–Willem Oltmans–rechtenstatus Auteursrechtelijk beschermd

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5 P ・ S ・サグデヱーェフ

P ・ S ・サグデエーエフ(P. S. Sagdeev)教授は、ー九 三ニ年ソ速に生まれ。モスクヮ国立大学で物理学を專攻し た、その後、プラズマ物理学を専攻・現在ソ連邦科学ァヵ デミー宇宙研究所長である・この対談は同研究所で行なわ れた。同教授は、これまで約七〇冊の本を出版している。

 

アー ノルド・卜ィンビー教授〔本書第一巷:对談47参照〕 は、宇宙旅行や月旅行に。した金は無駄だったと私に 語つていましたが。

 

トィンビー教授はまちがつています、と言つて今すぐ 計算で証明できるものではありません。これからの歴史 がそれを証明してくれると思います。しかし、今では誰 もが宇宙時代の多くの研究成果が実用化されていること を認めています。例えば、気象予報の仕苹は、部分的に は人ェ衛觅を利用して行なゎれてぃますから、その経済 的有効性を算出するのはそうむずかしいことではありません。ある計算によりますと - もっともその計笕はそ れほど正確ではないのでしょうが一特殊人工衛星シス テムを利用した気象観測や予報活動のおかげで、毎年の 災害救助费の節約が、数十傲ドルにも達しているという ことです。それに、技術的に補助的役割を持つ、ありと あらゆる一速の人工衛星があります。例えば、現在では 航海用の人工衛星を利用すれば、今の船舶はほとんど完 全にそれの指示を受けて航海ができます、比較的車純な 装陧を取りつけるだけでよいのです。この装睽は、今で は、ほとんどの船の装備のー部となっていますから、誤 差百メートル以内の正確さでもって、船舶の位置を人工 衛星からの情報で知ることができる仕祖みになっていま す。それに、誰もが、地球の反対側からのテレビ 番組を 世界中の人々が同時に受信できるということも知ってお ります。これを可能にしたのが、アメリヵの通信衛星お よびソ連のモルニア通信衛星だったのです。私の考えで

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は、後十年もすれば、トィンビー教授が言った非雔に完 全に答えることができると思います。

当然のことですが、このトィンビー教授の疑問は、多 くの人達の関心の的でもあります。特に、宇宙開発技術 に全楮力を打ち込んでいる人連にとっては、なおさらだ と思います。そういうわけで、トィンビー教授の心配 は、宇宙開発問題に携っている全ての人達にとって、ょ く理解できる面があります。

しかし、別の問題もあります。つまり、純粋に基礎 的、科学的調査に関する研究がまだ残されているからで す、大気圈外に打ち上げた人工衛星を利用して初めて、もはや地球表面上の条件下では不可能となっている調查 の全貌を明らかにすることができるわけです。この研究 には、次のょうなものが含まれています。地球物理学的 調査、近くの宇宙の研究、太陽系、惑鸪月などの調驾 それから最後に、この数年問に相当進んだのですが、特 に今年は、人工衛里やロヶットに秸載した望速鏡を利用 して突施した非常に重要な天体調奄を自佶を持って発表 できると思います。

 

あなたが、これまで述べてこられた分野でのソ連の今後の計画と、宇宙天文学がもたらすよリ多くの知識 から引き出し得るであろう価埴についても、もう少し 詳しくうかがいたいのですが。

 

この地球に人間が生息して百万年にもなりますけれ ど、その間、人間は自分の興味と知識をずっと增やして きました。この両方は、質、量共に拡大してきました。 この進展の過程は無限です。苷の人は直接身の回りで起 こっているものを見て、自然の法則を形成したもので す。

それ以来、徐々にいっそう逮い距離も見たくなったば かりでなく、距離、時間共により広い範囲にまで関心を 持つようになったわけです。こういう関心が新しい法則 の発見につながってきたのです、この法則は、既にわか った法則から推論し、また、その範囲を拡大したもので す。空問や物質の世界によりいっそう深く入り込むこと によって、人間は新しい物理現象学の発見をすることが できます。これが、人間の自然界に対する能力と力を拡 大して行くのにたいへん有用となり、しかも新しいより 広い自然法則の発見へと結びついて 行くわけです。

これが、私述が宇宙研究の新しい計画を立案する時に

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考慮すべき重要な根本概念です。自動制御宇宙探査機や 有人探査機を使用する一方、今や私達は、いろいろ違っ た大きさの光学轺逮銳を惑星に設置することができるようになっています。ガンマ線やユックス線装莳の锘遠銪 や、その他多様な機能の機械を、それが作動するのに最 も適切な位莳に設莳することができるようになっていま す。C・ういうやり方が、今私達が宇宙に関する新しい情 報を質的にも。的にも豊富に得るために考えている方法 なのです。

 

この七十年代に、きわめて多くの人連がまだアルフ 了べッ卜もわからず、更に自分を取リ卷く地球の最も 基本的な知雉もわからず生きているという事実を考え てみますと、米ソの人エ衛星を中維した教育テレビ番 組の放送を利用するならば、おそらく私達は、人類全 体が二十一世紀に近づきつつある自己の存在の認識を 啓発するのに有効な手段を得ることになるかもしれな い、と思うのですが。

 

当然のことですが、宇宙衛星通信網や宇宙テレビ放送 は、あなたが今お話ししていました教育的利用の面に関 してはたぃへん興味を持たれてぃます。そういうわけで、私達の宇宙技術の実際面の応用に対しては、何千万 ドルかかったと言って金で計算すべきではありません。

私が強調したいのは、次のことです。ソ連はー九一七 年には、読み書きのできなかった数千万人、いやそれ以 上の一億人もの人がいましたが、十月ー後の短かい年 月の間に生じた文化革命によって文盲を追放するという 豊かな経験を持っているのですよもし、私逹のこの宇宙 時代に、米ソが一致協力して現在持っているお互いの宇 宙開発技術の水準を生かすならば、低開発国をこの教育 という分野で有意義な方法で授助することなどそうむず かしいことではないと思います。

 

この点に関して、私はポリス・ぺ卜ロフ博士の最近 の発言に感動しておリます、つまり、ソ連の宇宙研究 の最優先事は、自動宇宙ステーシン、有人宇宙ステーション、地球軌道ステーションなどの手段を用い て、私達の地球を詳しく調査研究する方針にあるとお ゥしキっているからです。要するに、人類のために、 先ず第一に、宇宙調査をする必要があるということで しょうか。

 

私は、宇宙探査に関するソ連の考え方を、次のように

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定式化するのが正しいと思います。⑴私逹の月、 金见、 火星などへの飛行では、純粋に科学的な目的遂行をねら いとするということ。⑵地球周辺の探査では、科学的に 解明されていない問題と、そしてその解決が実際に実用 化 - その方法のいくつかの例はこれまでお話ししてき ました - され得るような数々の問題の解決を容易にす ること。以上のニつです。

 

将来、地球周辺の宇宙空間は、人類のために役立っものでしようか。

 

もちろん役立ちます。ですから、先ず、気象予報をす るときに役立っている気象観測衛星の話をしたのです。それから、天体および地球物理学的観測用に活動してい る宇宙ステーションのことも述べているところです。つ いでに、宇宙研究の新しい方向を話しますと、私連の地球自体の表面を研究するためにも、コスモス衛星を目下 利用しています。この後者の方は、宇宙研究の重要性を 最も適確に示しております。つまり、このような研究をすることによって。私達は自分の環境と資源を守るため のとびきり新しい道具の衛星を持つこ とができただけで なく、それで地上の人間活動の様子をも概観できるようになったからです。

地球表面の多様な現象を概観して、反復的に、しかも すばやく観測するこの重要な宇宙衛星は、今では、私連 の先辈の時代には夢にも考えられなかった非常に困雌な 情報を科学者、资源専門家、環境コントロールの専門 官、その他大勢の科学者連に提供しています。この人工 衛星は、地球表面の非常に遠距離の場所や、すみずみま でのデータを収集することができます。そのために、私 連は現在、幅広くいろいろな観測を目的とした世界的な 追跡網の設胜を考えています。私は、地球上の人問活動 を有効にして行くために人エ衛星を利用 すると、今後の 人類の生活のあらゆる面に大きな影響が出てくるものと 信じています。

 

プリンス卜ン大学のフリーマン・ダィソン教授〔本書第一卷対談60参照〕は、彗星への植林の可能性について語ってぉリますが。

 

私の意見では、ここ当分は、それは科学的空想か、科 学小説のたぐいのものだと思います。

 

ダィソン教授は、更に、宇宙旅行がだんだん安くな

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つてきているとも括しておリましたが、これも空想小説でしょうか。

 

それはもはや空想科学小説の問題というよりも、経済 の問題です。その質問に対しては、私達は後十年もする と解答ができるようになると思います。地球から何回も 発進させて、それをまた地上へ帰還させるという、いわ ゆる「宇宙速絡船」のような宇宙船を使用するようにな る時代が、後十年もすると可能になるのではないでしょうか。

シャ卜ルは、宇宙でのブラッ卜ホームのようなもの なんでしょうか。

 

あなたの質問に答えるためには、同じ機体を利用して 何回も地球から離着陸させたらどれくらい経済的だろうということで、「宇宙速絡船」計画のそうした一面をお 話ししているわけです。

 

この本が発行されるころには、米ソの宇宙飛行士が 両方の宇宙給の宇宙ドッキングを連成しているかもし れません。 『ニューヨーク・タイムス』紙の報道は、同時に宇宙からの米ソ宇宙飛行士の声を閜くことができるということになるだろうと言っておリます。私達 は、これこそ、宇宙空閗での史上初の「頂上会談」に なる、と官えそうですね。

 

私逹は、純粋に科学的成果の点から言えば、この初の 飛行に何か特別逭要な科学的発見を期待しているわけで はありません。このまだ初期の段階での敢も大切な仕事 と言えば、将来、宇宙ステーションを操作するのに必要 なあらゆる技術的操作が異常なく作働可能なのかどう か、それから、静かな普通の状態で操作をするのができ るかどうか、ということを明らかにすることです。も し、この一速の計画が統行されたならば、今後の数年間 に行なわれる宇宙飛行は、きっと非常に興味ある歴史的 な科学実験を実施するのに有用なものにな ってくると思 います。

 

オランダのような小さな国の考えでは、超大国の科 学者逢がよリ親密な協力を志向しているのは、全く好 ましい事態の発展ではないか、と思われるのですが。

 

私もこの協力関係を維税して行くのが理にかなってい ると思います。

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私自身はダィソン教授が首っているような将来の科 学的空想の舞台で踊るのは、ちよっとニの足を蹌むと ころですが、しかし、あなたは、人間が他の惑星に住 むことは可能かもしれないという説を借じる気にはな らないでしようか。

 

ここでの重要な問題のーつは、無逭カの問題をどうす るのか、ということです。これまでのいくつかの宇宙長 期滞在飛行の経験によりますと - もっとも、これはソ 連が最初に手がけたのですが、今ではスヵィラブ計画の ようにアメリ力でも経験しております - この無货カ状 態を克服するのは可能だと思います。しかし、他にも多 くの未解決の問題があります。私の考えでは、人間を他 の惑星へ移送する問題や、惑星や宇宙に長期間滞在する ための諸条件の問題が解決されるのは、まだまだ遠い先 のことになるだろうと思います。この問題の解 決には長 年月を要するということを覚悟した方がよいでしよう。

 

アメリカの科学者逢の中には、宇宙に大きな都市を 建技するとなると、経済的に引き合うだろうかといぶ かつている人もいるようてすが。

 

そういうことも考えられているようですが、琳なる科 学小説の域を出ていないと思います。現実的に問題を考 えるならば、私達は、アメリヵの科学者達が枯渴しつつ あるエネルギーの保存のような全地球的問題をどのよう に解決して行くつもりなのだろうか、というようなこと に関心があるわけです。

 

『ニューョーク・夕ィムス』紙の一九七ニ年四月十四 日付の記事によリますと、ソ連はアメリカの三倍もの 数の宇宙鉛を打ち上げていると首っておリます。夕ィ ムス紙の平均的読者は、この報道をどう解釈すべきだ とお考えですか。

 

この記車は、戦略的性質の問題について述べているよ うに思われます。ところが、ロケット一つを作って、そ れにaケット三つ分の费用を注ぎ込んで打ち上げること もできるわけです。確率の点から言いますと、三つのロ ケットを打ち上げた方が、科学的成果はいくらかはまし かもしれません。しかし、現在までのところ、ロケット ーつに多額の费用をかけた方がよいのか、あるいは、安 価な三つのロケットを打ち上げた方がよいのか、まだは っきりしていないようです。

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しかし、この記事に対する夕ィムス紙のtt者の反応 は、いろいろでした。例えば、ソ連はいったい宇宙で 何をしているのだろうか。ソ連はアメリカよりも進ん でいないだろうか。アメリカは非常に邋れてはいない だろうか、というような反応が出ていました。米ソの この方面の計画を比較検討した場合、いったいどうな っているとお考えでしようか。

 

科学者にとって、自分违の研究を計画する場合、どち らが先で、 どちらが後かというょうなことが屯要ではあ りません。科学は、幅広い多くの問題を通じて、発達し て行くものです。これが本当の科学の持つ性質なんで す。ですから、どこの国の科学者であろうと、時には、 同じ播類の問題を研究して行く場合もあれば、また、矛 盾対立する問題と取り祖む場合だってあるわけです。し かし、大抵の場合、科学者達は、お互いの研究を相補っ て行くものです。例えば、一人の科学者か、あるいは科 学者チームが一つの科学分野で先んじて 研究している時 に、他方では、別のグループが別の分野で先頭を切って 研究を進めていたというのが、科学の世界の自然のあり 方なのです。強调したいことは、どこで科学的研究がなされようと、得られた研究成果や発見は、 自由に交換す べきだということなのです。米ソ両国の科学の進歩は、 お互い同士の功欲や発見などによって強力に左右される だろうと確倍しています。つまり、ー方の成功は他方の 成功をも意味しているのです。どうしてかと言います と、科学や研究というものは、その本質において、全体 として一つの実体を形 づくるようなものだからです。

 

ソ連の宇宙研究も、太陽ェネルギーが放射する物理 過程の問題に、新しい展望を切り開こうとして、いっ しょうけんめいになっているように思われます。この 研究は、将来、エネルギーが太隔光線から得られる方 法というような問題と何か関係があるのでしょうか。

 

私達は、太猫で起こっている過程と、それによる地球 の上層大気、気候、 気象などへの影響などの研究を集中 的に行なう特別計晒を持っています。これは、地球から 約ー万キロ メートルも離れて飛行する高遠軌逍の特殊人ェ衛呈を打ち上げる計画とも関係があります。ソ迪は、一年に一、二度、このような衛星を打ち上げておりま す。この衛星には、太陽の表面で起こっている変化を自動的に記録する装置を枏載しております。その他、太陽

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の煤発とそれによって生じた放射熱の研究もしておりま す。この衛项には、太陽爆発が起こった後に、地球の上 阀大気に起こる変化を直接記録する装跋も稹み込まれて います。

 

人問は、近い将来、太陽熱エネルギーの利用に成功 するでしようか。

 

ー部ですが、私述は、太陽電池という形で今日でもす でに太陽からのエネルギーを利用しております。この苽 池は、太陽が発したエネルギーの一部を集めるもので す。それ以外の例としては何があるでしようか。これま た純粋に空想科学の段階ならば、スゥヱーデンのハンネ ス・アルフヴェン教授によっていくつかの可能性が提示 されてはおります。太陽は、光の形でェネルギーを放出 しているだけでなく、字宙では大きなプラズマ流の形で エネルギーを放出しています。このプラズマの流れは、 太陽風のようなものをつくり出してい るようです。です から、これは一つのアィデアですが、宇宙船を利用して 太陽風によって生じた笟気エネルギーを動カ源に、いわ ば帆走船のようなものをつくれないものかどうかと考え ているところです。しかし、この太陽風の密度は非常に低いために、帆は非常に広い面を必要とする結果となり ます。これは笟磁坳を利用した帆走毛矿と呼ベましょ う。このセール・ファーは、非常に大きいものがつくら れ得るでしょう。しかし、現在のところ、そのような計 画はいまだ科学小説の中でしか考えられておりません。 もし、太陽風のエネ ルギーを集めることが可能ならば、 遠い所への惑星問飛行をする時に、必要なェネルギー源 として利用できる可能性もあるわけです。

ソ連邦科学アヵデミーは太陽のェネルギー活用を專門 に取り扱う特別委貝会を持っています。このユネルギー 活用には、特殊鏡を利用しての多蛩の太陽光線の集束化 計画も含まれています。それから実際に実用化している 小型太陽苽池もあります。このバッテリーは、山や太陽 に恵まれた南の地方や、その他、ェネルギー源となるも のが手に入らないところなどの多くの場所で利用できる と思います。そういう坳所にこの小型笟池を設胜するの はむずかしいことではありません。すでに、この電池は、 実際に探検家や山で牛の大群を见 張っている人などが利 用しております。この電池は、また、塩水湖のあるとこ ろで塩水を離塩化する時の勅力としても使われていま す。中央アジアのいくつかの科学研究所では、この問題

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と取り組んでいるようです。

 

あなたの考えでは、現在のェネルギー危機は、人類 が直面している永統的課題になったということでしょ うか。

 

一九七三年に起こったエネルギー問題は、さし当た り、一時的なものだと思います。そして本当に深刻な危 機は、ようやく二十年ないし三十年後にやってくるとい うことです。明らかに、原子力エネルギーの利用と関速 した諸問題を解決することが必要です。この原子力利用 の問題では、今まで取ってきた方法とは全く違った新し いやり方で解決して行くべきだと思います。核エネルギ ー源は、将来きっと私たちの主要エネルギー源になるこ とはまちがいありません。現在解決が迫られている問題 は、ニつの型の原子炉の問題です。 そのいずれが優れて いるかということです。つまり、核分裂型原子炉がよい のか、はたまた核融合型の原子炉がよいのかという問題 です。今のところ、どちらがよいとはっきりさせるに は、むずかしい面があります。少なくとも後十年も経た ないと、はっきりした答えは出ないでしょう。今使って いるものでは、核分裂型原子炉の方が、最も私逹に向いているようです。しかし、これまでは、長期間の使用に 附えてきた単独の実験用原子炉というものはありません でした。後五年もすると、熱核反応原子炉が、私逹の要 求に応えて建設 されるものと思います。この場合でも、まだまだ解決すべき多くの問題が残されています。

 

ソ連の若者逢は、天文物理学に興味を持っているで しょうか。つまリ、多くの若者逢が、宇宙開発研究を 専攻しているのでしようか。

 

そうです。天文物理学は、ソ連の学生達にはたいへん 人気があります。有名な天文物理学の講義は、いつも大 勢の受講者でいっばいです。ちょうど、三十年前に原子 物理学が学生達に非常に人気があったのと同じ現象です。私達は、天文物理学は今や学生逹の活気ある注目を 集めているだけでなく、それなりの成功も収めていると みています。

ここで、なぜ天文物理学が苽要な学問であり、しかも 科学者達の高い評価を受けているのかということを少し お話ししてみたいと思います。その一つは、哲学的性質 のものです。これは私達の祖先にまでさかのぼらなけれ ばならないことです。当時の人逹は、星を観測すること

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によって人類に有益な情報が得られるなどと全く信じて いたわけではなく、ただ単に、空では何が起こっている のだろうか、と自問したわけです。この哲学は、アン リ・ポアンヵレによってうまく説明されております。彼 は、蜇逮鏡で星を観測してそこで何が起こっているのか を兑ていると、自分の大きさがわかってきて、地球はな んて小さく、宇宙はなんてとてつもなく大きなものなん だろうというふうに感ずるようになる、と言っているわ けです。

次に、宇宙天文学の人気のもう一つの理由ですが、究 極的には、実際的な面を反映しているのだと思います。 今日では、毎年、いや每遇と首ってもいいくらい、私违 は天文物理学の分野で新発見をしております。その結果、宇宙にはまだ全く理解できない性質の新しい宇宙物 体が数多く存在しているということも明らかになってき たわけです。そこで、どんどん発見されている新しい宇 宙物体の中には、現在知っている物理法則でもって解明 できないある袖の宇宙物体がないだろうかと探し求めて いるところです。宇宙には、全く 新しい形のエネルギー と物理的過程が活動していて、しかも、巨大な世のエネ ルギーを生み出しているー于宙天体が存在しているかもしれません。実際に実験室での研究が始められる数年前に 熱核反応の存在を結論づけたのは、天文物理学だったの ですから。つまり、恒星群から出される熱核反応が存在 しなければならないという有名な結論は、天文物理学上 の論争の中から生まれたものだったのです。しかし、そ れ以前から、天文物理学者連は、例えば石炭のような燃 料では、恒星群が何億年もの問、ものすごい高温のまま で存在 し続けるということは考えられないという結論を 出してはいました。それで当時、核エネルギー源と同じ ような力を発撺する他のユネルギー源が存在してはいな いだろうかという疑問があったわけです。先ほどの説の よう、そのうち天文物理学が、実用的で有益ないくつ かの新しい愤報を提供してくれるものと期待していると ころです。とは言っても、後何年先のことになるのかよ くわかりませんが。

 

ー九七一年に、他の惑里から送られてくるいろいろな電波について肘議する会議が開かれたようですが。

 

この会雄では、他の惑觅の高度な文明から送られてい るかもしれない窀波を調べることが可能かどうかという 話題が中心でした。もしそうだとしても、いったいぜん

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たい、どういう形でそれを研究すればよいのでしょう か。しかし、これまでのところは、そのような信号があ ったかどうかという問題も、まだまだ本気で考えられて いないというのが現状のようです。

 

空飛ぶ円盤の話はどうなんですか。

 

新聞では、いろいろな報告を読んだことがありますが。

 

宇宙旅行で、あなたが最も関心を持っておられるのは何でしょうか。

 

私は、統制された熱核融合を取り扱った研究に、長く 携ってきました。この方面の研究は、特別装既の実験場 で行なわれています。そこでは、巨大な磁場を使って、 プラズマという高熱で。しかも密度の大きい物質をつくり出す実驗をしております。この実験のェ的は、熱核反 応が起こった時に一億度の温度をつくり出すことにあり ます。これまでのところ、科学者達は。 ニ千万度くらい の比較的低い温度を実験的に述成してはいます。目下、 これらの一連の研究が特殊装肚の中で進められていると ころです。私は、このょぅな特 殊装脬を用ぃたブラズマの性質を研究しているうちにだんだん興味が湧いてき て、類似の装睽を用いて、実験室内で宇宙プラズマの内 部に見られる条件をつくり出すことも可能ではないだろ うか、ということにも関心を持つようになったわけで す。このような多くの研究活動が、現在、私逹の研究所 では行なわれています。もちろん、宇宙プラズマ削造の 研究もです。実験では、いろいろ違ったタィプのモデル -例えば翼 - に沿って高熱の気体が流れるようにな っている特殊な気体力学的チユーブ内で起こっているブ ロセスをシミユレ ートして実験しております。これと同 じ考え方で、空気のかわりに、プラズマを秒速何百キロ メートルという超高速度で特殊チユーブ内を吹き抜けさ せるという実験もしております。しかし、このプラズマ 流がその回りを流れる対象物は、飛行機の、とか完壁な 飛行機全体とかではなく、天体です。例えば磁場によっ て取り囲まれている地球たとか、月やその他です。

このようなことをしているうちに、宇宙プラズマ現象 解明のために、熱核融合反応の分野における類似の詳細 が得られたり、また、この分野で発展してきた規格や方 法を宇宙ブラズマの解明のために応用して行く可能性も 出てくるわけです。それに、人エ衛星や宇宙ロヶットを

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利用した地球の観测に基づき、宇宙プラズマ現家との比 較研究も可能となつています。

(中村哲雄)


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