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Soren no tachiba. Detanto no hokani michi wa nai (The Sovjet viewpoint. No alternative to detente) (1983)

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Titelpagina van Soren no tachiba. Detanto no hokani michi wa nai (The Sovjet viewpoint. No alternative to detente)
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Soren no tachiba. Detanto no hokani michi wa nai (The Sovjet viewpoint. No alternative to detente)

(1983)–Georgi Arbatov, Willem Oltmans–rechtenstatus Auteursrechtelijk beschermd

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3 ヨーロツパは一つになるか

- さてヨーロッパに話題を移したい.ー九三六年にイタリアの外交官、カルロ・スフォルツァ伯爵は「ヨーロッパの理想に仕えるか.滅びるか.二つの道しかわれわれにはない」と書いている。全欧安保協力会議の開催を目指したソ連の考えは.ソ連外交にとって長い間変

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わらぬテーマだったが、この考えを提唱したのはいつごろか。

A この会議の開催を初めて提案したのは、はるか一九五五年のことだ。以後、長年にわたってソ連とそのほかの社会主義諸国は、全欧安保協力会議の開催のために一貫して努力してきた。

- ノルウェーのヨハン・ガルトゥング教授はかつて、東西ヨーロッパの共生を目指し、ヨーロッパ全体を、網の目のような協力と共同行動を可能にする巨大な政治的、経済的組織に変えるよう提案したことがある。

A 実際にはこの考えは教授の独創ではない。八〇年前、これは「ヨーロッパ合衆国」と呼ばれた。この考えはV・I・レーニンが厳しく批判したが、レーニンは、当時の状況ではそのような共生関係は実現できないか、反動的なものにならざるをえず、反動的な共生の場合には、植民地主義的略奪の制度を強化するために団結した帝国主義諸国の同盟に転化することになる、と考えたからだ。

経済的統合と政治的統合

- とはいえ、統合ヨーロッパに対する現在のソ連の立場はどうか。

A その場合の統合とは、どの程度の統合を指すのかが問題だ。その種の統合ヨーロッパが、超大国のようになるのを期待しているのだとしたら、それはどちらかといえば夢物語だ。

世界一般について言えることだが、ヨーロッパでも、経済統合に有利な客観的傾向が見られる。もっともわれわれは、この過程にはさまざまな困難があることも知っている。現存の不平等や富める大国の支配的立場を指摘すれば、十分であろう。この過程が近い将来、ヨーロッパはもちろん西ヨーロッパ地域のなんらかの経済統合に行き着くとはとても予想できない。この問題のもう一方の非経済的な側面は、はるかに複雑である。特に最近かなり激烈な形で、しかも予想外の出来事に、はっきり表

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われてきた民族意識の成長について考えてもらいたい。ペルギーのワロン人、英国のスコットランド人とウェールズ人、フラソスのコルシカ人の場合がそうだし、北アイルランドやスペインのパスク地方のように、民族問題が公然たる武力紛争の特徴を帯びてきた地域については言うまでもない。

ヨーロッパ諸国がこれほど異なった、それぞれの主要な特質を乗り越えて融合し、一つの超大国になることなど予想できるだろうか。これまで述べてきたことは、歴史的傾向についてだが、この種の統一計画に由来する政治的な計画となると、どちらかといえば、悪意を秘めているようにみえる。

- それはなぜか。

A 何よりもまず第一に、こうした計画が資本主義下のヨーロッパだけの統一を考えているとしたら、これは二つの対立する軍事・政治ブロックに分裂しているヨーロッパの現状を固定し、恒久化する試みだと断じざるをえない。そしてソ連の立場は、ご存知だと思うが、この異常な情勢を終わらせ、終極的にはこの二つのブロックないし少なくともその軍事機構を、全面的に解体することを目指している。

全ヨーロッパの統一を念頭においているのだとすれば、すぐ思い浮かぶ問題は、どのような立場に基づいてこれを実現するのか、ということである。社会主義諸国は資本主義になる考えはないし、われわれが知る限りでは、西側にも社会主義になる差し迫った計画はない。自分たちの制度を相手側に押し付けようとすれば、戦争にならざるをえない。

- それでは結局、今後何年間も、ヨーロッパは分裂したままということか。

A ヨーロッパに社会主義と資本主義の社会が共存するということであれば、そういうことになる。しかしこのことは、敵対的関係と緊張という通常の意味での分裂を意味するものではない。こうした事態は避けられないことはない。

ブロックに対するわれわれの立場についてはすでに述べた。ソ連は、軍備管理と軍縮を促進し、い

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っそう深い相互信頼を達成するために、政治協力をますます発展させることに賛成である。またヨーロッパ域内の経済・科学・技術協力や観光、そのほかさまざまの種類の接触を全面的に発展させることも支持する。われわれは、ヨーロッパの二つの地域が社会経済制度の相違にもかかわらず、安全と協力、そしてその気になれば、調和のとれた関係のもとで共存できると確信している。

世界最高の武器集積地帯

- 政治概念の用語として、ヨーロッパの安全保障の問題をどのように定義するか。

A まず第一に、これはこの地域の国際関係の全体系に、かなり急激な変化をもたらすという問題である。ヨーロッパでは二つの異なる社会経済制度に属している諸国家がまともにぶつかり合っている。政治的だけではなく、経済的にもぶつかり合っている。世界中でこれほど大量に致死兵器が蓄積されている地域はないし、いったん紛争が起きれば一触即発の、二れほど危険な火薬庫に蹴ってしまった地域もない。

この点で、最も重要な決定的ともいえる問題、つまり平和共存と協力がそもそも可能なのかどうかという問題が、ことのほかはっぎりと姿を現わしている。ある意味で、ヨーロッパは、現代の最も死活的な問題の解決にとっての実験場となっているのである。

- 私はウィリー・プラントと会見した際、プラントが自分の東方政策は完全に失敗したとも、十分成功したともみていないとの印象を受けた。

A 人間の努力で完全に成功した例などそんなにあるだろうか。全般的にみて、プラントの東方政策が少なからぬ成果を上げたことは疑いない。ウィリー・プラントとその同僚たちば、自分たちが成し遂げたことを誇りにできると思う。なぜならば、一触即発の最も可能性のある地域で、しかも東西間

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の紛争がささいな問題ではなく、中心的な重要性を持つこの地域で、緊張緩和を始めることに貢献したからである。

この運動を持続し、さらに発展させることがきわめて重要である。現在存在している問題や困難を見れば、ヨーロッパの政治関係は期待通りの変化を遂げたわけではないし、どんな変化が起きたにせよ、絶対にやり直しがきかないほどの変化ではなかったということがわかる。しかしだからといって、東方政策がその実現にきわめて重要な貢献をした、ヨーロッパの建設的な変化というものの重要性が減ることに61ならない。

- こうした建設的な変化にもかかわらず、西ドイツのハンス・アヘ゜ル元国防相は、軍備の裏付けがなければ東西問の交渉は実際には何にもならない、という考えを変えていない。

A 西ドイツの国防相が、そうした見解を抱いたとしても、格別不思議ではない。もっともこうした意見は軍拡競争に奉仕し、緊張をあおるだけである。何にもならないのはまさに軍備のほうである。

われわれは過去三〇年間の軍備の歴史がある。軍備が交渉に役立ち、協定や協力を生み出したことが一度でもあったろうか。「平和を欲するものは戦争に備えよ」とは人類が何世紀もの間、聞き慣れてきたうたい文句だ。しかし現代ではこの昔からの警句は役に立たない。この点についてはすでに話し合った。

- 一九七五年のヘルシンキ最終文書を振り返ると、八〇年代のヨーロッパの姿はまったく暗澹たるものにみえる。

A もちろん幻想を抱くべきではない。国際情勢は深刻化したし、八〇年代は危険な緊張激化で始まった。しかし、ヨーロッパについて話し合っているいま、あなたがこの間題に触れたので言うが、緊張緩和が深く根を下ろし、特に長続きするようになったのは、紛れもなくこのヨーロッパ大陸である

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という点に、留意することが重要である。

- まさにその通りだ。このためすでにアメリカ側にはかなりのいらだちが生まれている。

キッシンジャーは.アメリカの新しい冷戦攻勢に同調をしぶるヨーロッパ人の気持ちに触れた際.こう要約した。「ヨーロッパ人が穏健主義を独り占めし,他方アメリカが圧力を独り占めにするのはまずい」と。

Aなるほど、このような役割の分担は、アメリカ人にとって一番いいといえるやり方ではない。われわれももちろん、西ヨーロッパとアメリカが圧力ではなく穏健主義.対決ではなく協力に基づいて、ソ連と関係を持ってもらいたいと切に希望している。

しかしキッシンジャーはこの点で、ヨーロッパの人たちを責めるべきではない.アメリカと西ヨーロ7パとの間の食い違いの根源はアメリカの政策の根源にさかのぼる。つまり.アメリカの政策が緊張緩和から緊張の増大へと転換したことにある。言い換えれば.この点はすでに指摘したことだが。

ヨーロッパの人たちのほうが,アメリカ人よりも緊張緩和をまじめに考えているということだ。

冷戦復活に抵抗ナるヨーロッパ

ーその点を少し詳しく。

A何よりもまず第一に、ヨーμッパの人たちのほうが戦争の危険に対してはるかに敏感だということだ。アメリカの著名な歴史家のチャールズ・ビアードが述べているように「ヨーロッパの諸問題には,五〇世紀もの間の戦争の血痕がこびりついている」(ロナルド・ラドッシェ Prophets on the Right一=ーヨーク、一九七七年.三二.へージ)のである。

しかも結局のところ、NATO内部であれほど激しい非難の対象になっているソ連の戦車や新型中

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距離ミサイルSS20と.並んで生きていかなければならないのは.アメリカ人ではなくヨーロッパ人なのである。

ヨーロッパの戦争は,アメリカにとって「局地」紛争にみえるかもしれないが、この「戦争の舞台」は、ワシントンか.らどんなに遠くても.ここに生きるヨーロヅパ人にとっては唯一の場所である。したがってヨーロッパ人にとっては、アメリカ人の用語では「局地」戦争も、生きるか死ぬかの問題なのである。

第二に.西ョーロッパの人たちのほうが緊張緩和に対して、経済的にずっと大きな利害関係がある。最後に、人間同士の接触や,共通の運命で結ばれているという感情.東西を問わずヨーロヅパ中の人たちが分かち合っている共通の文化遺産というものがある.強い歴史的つながりが多くある。ヒトラーに対するわれわれ共通の戦いにはアメリカも加わったが.これはヨーロヲバの人たちをとりわけ緊密に結び付けた経験であった。

西ヨーロジパのナチスの強制収容所を逃れたソ連人は.フランス.ペルギー、そのほか多くの国々の抵抗運動に参加して戦った.フラγスの将校はソ連の空軍に参加して戦った。ソ連軍は.ヨーロッパの解放に決定的な役割を果たしたが、この点は.ヨーロッパの人たちのほうがアメリカ人よりもよく理解している。ナチスを打ち破るために命をささげたソ連兵士の墓は、ヨーロッパ大陸の至る所に散らばっている。

概して、平和と緊張緩和についてはアメリカよりも西ヨ;ロヅパのほうが大切に考えている.ある意味で.西ヨーpッパがアメリカ人を緊張緩和に事実上、引きずり込んだと言える場合もあった.そして今や,冷戦復活というアメリカの試みに対し。時には臆病で首尾一貫しないやウ方にせよ.抵抗しているのである。冷戦の遺物がすぺてのヨーロッパ人の心から消え去ったなどと言うつもりはない。

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西ヨーロッパには、緊張緩和を恐れ、束西問の雰囲気の緊張激化を豊んでいる勢力もある。

- どんな勢力のことか。

Aまず一つには、西ヨーロッパの国にはみなそれぞれの軍産複合体があり、緊張緩和に対してアメリカの軍産複合体とほとんど同じ態度をとっている。

次いで、自分たちの国内の不安定な政情を心配し、緊張緩和をこの不安定の主要な理由とみて、スケープゴートにする人たちがいる。連中にとって東西間の敵意と分極化が復活した状況は、西ヨーロッパの社会変革のために闘っている人たちを懲らしめたり、また外部からの脅威をロ実に、このような脅威が存在するかしないかにかかわりなく、国民の団結を図ったりするための有効な手段にみえるのである。

反共主義にも触れなければならない。西ヨーロッパ、特に共産主義者が重要な政治勢力となっている国々では、反共主義はアメリカとは様相を異にする。しかし、反共主義が国際緊張激化の重要な要因として、存在していることに変わりはない。

最後に、ドイツの帝国志向といったヨーロッパの伝統的な緊張要因もある。もちろん、それは四〇年ないし七〇年前よりも弱まってはいるが、ドイツ連邦共和国にはまだ、パワーエリートの非常に影響力のある分野の人たちも含めて、ドイツ人がヨーロッパや世界のそのほかの地域でもう【度覇権を争うべきだと考えている人たちがいる。この人たちはドイツの軍事行動に現在さまざまの制約が課せられていることに、いら立っている。

- それではそうした勢力以外のヨーロッパの人たち、憂慮するヨーロッパ人と呼んでもいいが、平和と緊張緩和を望んでいるこの人たちは何をすべきだろうか。

A憂慮するロシア人や憂慮するアメリカ人のなすべきことと同じことである。軍事力だけでは安全

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を保障できないこと、そして永続的な平和には緊張緩和、軍備制限、東西間のもっと幅広い協力が必要なことを理解することである。

さらに、自分たちは無防備だなどと称して、軍拡競争の継続を主張する人たちがまき散らしている恐怖に負けるべきではない。抑止力がもたらすものは、ヨーロッパ人にももたらされる。なぜならば、ヨーロッパの戦争が世界戦争、しかも核戦争になるのは避けられないことだからである。これこそが今日の世界の政治的な現実である。ソ連ではこの点がよく理解されていると確信しているし、西側でも理解されるよう切に望みたい。

- しかし、ヨーロッ゛バの平和運動がこれまでになく高まっていること自体、こうした理解が深まっていることのはっきりした証拠ではないか。

Aその通りだ。この運動は、何百万人というヨ-ロパの人たちの、誠実で力強い草の根の心情に芽生え、育ってきた。この人たちは平和はもちろん祖国の生存をも図るうえで,軍拡航争と軍事対決という旧来のやリロが、何の役にも立たないことを感じ取ったのだ。

こうした運動がすべてヨーロッパで起きているのは不思議ではない。ヨーロッ゛パ大陸は戦争の惨禍で】番痛めつけられ、しかも今なお近代兵器が一番あふれているところだ。それだからこそ、この運動が活力にあふれ、ねばり強く、しかも政治的影響力を発揮しているのである。何百万人もの人たちの心をとらえている考えほど強力なものはないからだ。

アメリカの高官たちは当初、不手ぎわにもこの運動をソ連の宣伝による謀略だとして、一蹴しょうとした。しかし彼らさえも結局は、ジュネーブでの交渉を開始することで、この新しいヨーロッパの空気に応じざるをえなくなり、当面自分たちの言い回しや宣伝の調子を変えた。

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東欧に社会主義定着の事実

- しかし一九四九年型の西欧へのソ連の脅威が、今日ではおかしく見えるとしても、ソ連の軍事行動、たとえば東ヨーロッパの危機に対応するソ連の行動を恐れる気持ちは、まだ残っている。

A なるほど、現在のNATOの考え方はこの方向に進んできた。一般大衆が抱くもっともな疑問を押え込むために、信用できるイメージを与えなければならないのだ。しかし人ぴとは、NATOの専門家たちのこの最近の作り物を信用するだろうか。考えてもみてほしい。

彼らの言い分は、東ヨーロッパに何かソ連の気に入らない事態が起きて、仮にソ連が攻撃してきた場合、西ヨーロッパを防衛しなければならないということだ。この主張に何らかの合理性があるとすれば、西ヨー口ッパに東ヨーロッパの事態に多くかかわりを持っているという仮説に基づく場合だけだ。そうでなければ、どうしてソ連が西側に敵対的な反応を起こすなどと予想するのか。

簡単に言えば、アメリカは、東ヨーロッパ諸国の内政に干渉しようとする自分たちの意図を、NATOに守ってほしいと思っているのだ。このようなアメリカの思惑は、西ヨーロッパ、ひいてはヨーロッパ全体の真の利益と何の関係があるだろうか。西側は、社会主義が東ヨーロッパに定着した事実を受け入れなければならない。

- その点に関速してポーランド情勢をどのように考えるか。ポーランドにおける最近の事態は、現在の状況に深刻な不満があることを証明したものではないか。

A もちろん不満はある。しかしその中心は社会制度全体に向けられてはいない。制度には関係ない事柄、つまり誤りや経済的な困難、腐敗、特定の当局者たちのそのほかの犯罪行為などと関係がある

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のだ。とはいっても、そのほかの要因もからんでいる。

ポーランド事件のそもそもの初めから、アメリカは西側の一部の層とともに、全力を尽くしてこの事件を重大な国際的危機にしようとした。何人かの「連帯」指導者たちとそのほかの反対勢力がとった過激な態度が外部から深められた確信、つまりソ連などの社会主義国はもちろん、ポーランド政府にも圧力を加えるに当たって、アメリカとNATOから完全な支持を得られるという確信に根差したものであることは確かだと思う。

ポーランドが困難な時期にあることはもちろんである。しかし、だからといって、過去にヨーロッパで最も貧しい国の一つであったポーランドが、社会主義の下で大きな成果をあげたという明々白々の事実は隠せない。ポーランドは現在の困難からも抜け出すだろう。

- あなたは、アメリカが同盟国との関係を強化するために、国際緊張の増大を利用しょうとしていると指摘したが。

A その通りだ。緊張緩和を快く思わず、緊張状態を歓迎した政治家がアメリカに少なくないのは、緊張が手綱を引き締め、自国民ばかりか同盟国をも「懲らしめる」しのに役立つと考えているからだ、と勘ぐることもできる。こうした戦術の効果となると、たいしたことはなく、短期的にみると、アメリカと西ヨーロッパとの関係に、表面化するにせよ、しないにせよ、さまざまな緊張を作り出し、増大させる一方、双方の間の長期的な問題もこじらせていると言える。事実、これはわれわれがすでに目に しているところだ。

ノスタルジアと現実主義

- 新しい冷戦が不純な動機によるものだとしたら、西側には本物の団結は生まれないとい

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うことか。

A そうだ。世界は一九五〇年代以後変わったのだ。アメリカのノスタルジアがどんなに強くても、時計の針を逆戻りさせることはできない。なるほど、アメリカはまだ自分の意思をバートナーに押し付けることができる。しかし同盟国は経済的にずっと強力になり、政治的にもアメリカに依存する度合いが少なくなってきたから、今や、自分たちの利益を考慮に入れるよう要求している。

- ヨーロッバの平和運動が大きな意義を持つこともわかるが、多くのヨーロッバ人は、破壊力を秘めた神聖ならざるお荷物を運びながら音速で空中を飛び回っているミサイルや、想像もできないような危険についての果てしない議論に、頭がおかしくならないまでも、いらいらし、うんざりしている。

A このいら立ちは説明がつく。長い間、議論が続いているからだ。しかし結局のところ、生き残れるかどうかの問題の重要性を一蹴することはできない。

自分たちが生き残ることにいら立つわけにはいかない。もっと一般的なコメントを許されるなら、私がある種のヨーロッバ中心主義者だという誤った印象を与えたくはないが、われわれすべてにとってこの大陸は非常に大切なものだと言いたい。

ここでいう「われわれすべて」には、ほとんどの人がヨーロッバに祖先のルーツを持っているアメリカ人はもちろん、ウラル山脈のこちら側だけではなく、その向こう側に住んでいるソ連市民も含んでいる。この大陸を守り、その将来のたあによい条件を確保することが、きわめて大事なのだ。

こうした配慮をするのは、何と言ってもまず、ヨーロッバ人の義務である。しかしこの問題は、ソ米関係でも最も重要な問題の一つとなるべきだ。アメリカをヨーロッバから切り離すことはできない。ヨーロッバは冷戦の温床であり、緊張緩和の発祥の地でもあった。

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ヨーロッバ問題は、大国が無私の精神でヨーロッバ人のためを思って行動するという間題に尽きるわけではない。ソ連、アメリカ双方にとって、自分が生き残れるかどうかの問題でもあるのだ。

- あなたの見解では、国際関係の在り方として、ヨーロッバの最も望ましい情勢とはどういうものか。

A 永続的な安全保障と広範な協力関係だと思う。これを実現するには、ヨーロッバ大陸が二つの相対立する陣営に分かれ、強力な核・通常兵器で武装し、何十億もの金を軍備に費やしている異常な現状を終わらせることが必要だ。したがってわれわれは、双方の軍事ブロックを解消するか、まずその軍事機構を解体することに賛成する。ワルシャワ条約機構の憲章には、NATOが存在しなくなれば、機構は解散することを定めた特別の条項がある。

- その目標の実現に努めながら、アメリカをヨーロッバから追い出したいのではないか。

A どうしてそんなふうに考えるのか。われわれは現実主義者であり、実現できそうもない仕事に取り組んだりはしない。しかも今、指摘した前向きの目標を達成することはアメリカの同意、いやそれ以上に、緊張緩和と軍縮の過程へのアメリカの積極的な参加なしには考えられないことだ。

最後になるが、われわればヨーロッパだけではなく全世界の緊張緩和、安全保障、協力を望んでいる。アメリカ、西ヨーロッバ、ソ連三者間の安定した関係なしに国際関係の安定した制度を考えることは難しいと思う。ソ連の目標は、酉ヨーロッパとのよい関係、アメリカとのよい関係、そのほかすべての国々とのよい関係にあることを繰り返したい。

- しかし、ヨーロッバにおけるソ連の外交政策路線は、現在のところ、かなり反米的だとみられているが。

A これは、今日アメリカが進めている政策がもたらした直接の結果である。アメリカの反ソ政策に

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対するわれわれの反発が、一部の人たちには反米的と映るのかもしれない。ヨーロッパ問題をめぐるこの討議をまとめるとすれば、ヨーロッパは結局、狭くて人口も多すぎて、外部から押し付けられる紛争や対決の余地はなくなろうとしているということを強調したい。


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